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第八回「売上総利益の計算方法」

 皆さん、こんにちは。

 今回は「売上総利益の計算方法」について、ご説明します。損益計算(会社の利益の計算)の初めの一歩です。

 簡単にいうと、「売上総利益」とは「売上高」から「売上原価」を差し引いたものです。

 例えば3,000円で仕入れた商品を10,000円で販売すれば、7,000円の利益が上がるということです。

 一般的には「粗利(アラリ)」と呼ばれていますね。

1.売上高

 会社の本業である商品や製品の販売やサービスの提供などの取引を「売上」といいます。その金額を「売上高」といいます。

 会社が売上を計上する時期は基本的には「商品(製品)を引き渡した時」「サービスを提供した時」です。つまり、「納品」の時点で、売上は生ずるということです。

2.売上原価

 売上原価は

    期首商品(製品)在庫

    +当期商品仕入高(製品製造原価)

    −期末商品(製品)在庫

という計算式で算出されます。つまり当期に会社が持っていた商品(製品)で期末までに売って無くなってしまった部分です。

 この金額を確定するためには商品(製品)の期末在庫を正確に把握することが必要です。 期末在庫を把握するためにする手続きが「棚卸し(タナオロシ)」と呼ばれるものです。

 「棚卸し」によって期末の商品の在庫の数量金額を決定します。

3.商品の棚卸しによる評価

 商品の棚卸しによる評価方法には大別すると原価法と低価法があります。

 原価法は、さらに8種類の方法に区分されます。

   
  ポイント

○事業の最終的な「もうけ」は「売上総利益(粗利)」から「給料」「家賃」、業種によっては高額の「保管料(倉庫代)」「保険料」などを支払った後に残る金額です。

仕入値にいくらの利益を上乗せするかは、すべての経費を考慮にいれなければなりません。

もちろん、その商品(製品)が「いくらまでなら売れるか」ということも考えましょう。


今回は原価法の中の、主なものだけご紹介しましょう。

  1. 個別法
    個々の取得原価を期末の評価額とする方法
  2. 先入先出法
    先に仕入れたものから先に販売したと考えて評価額を計算する方法
  3. 後入先出法
    後に仕入れたものから先に販売したと考えて評価額を計算する方法
  4. 総平均法
    期首の在庫と当期の仕入の金額を合計したものを数量の合計で除した平均を単価とする方法
  5. 最終仕入原価法
    期末に最も近い時期の仕入単価を期末在庫の単価とする方法

 棚卸しの評価の方法については、税務署に届出が必要です。税務署に届出をしなかった場合は(5)の最終仕入原価法によることとなります。

4.最終仕入原価法

 最終仕入原価法について例をもちいて簡単にご説明しましょう。

 まず、期首に単価@500円の商品が100個ありました。

 当期 9/1単価@550円で2,000個

 当期12/5に単価@480円で5,000個

 また12/7に単価@520円で50個、

 同じ商品を仕入れました。

 期中、7000個売上げ、期末には150個が在庫として残っていました。

 最終仕入原価法では、期中の変動にはかかわらず、最後に仕入れた価格@520円を単価として、在庫の金額が確定されます。

つまり@520円×150個=78,000円が期末商品の評価額となります。

在庫の評価方法は品物の動きに連動するわけではありません。

評価方法として「後入先出法」を採用していても商品自体は先に仕入れたものから順次、販売していくのが普通です。



 この場合の売上原価は次のように計算されます。

期首商品 @500× 100個= 50,000円
当期仕入高 @550×2,000個=1,100,000円
@480×5,000個=2,400,000円
@520×  50個=  26,000円
合計 3,576,000円
期末商品 @520× 150個=  78,000円
差引 (売上原価)   3,498,000円

 今回は「売上総利益(粗利)の計算方法」について、ご説明しました。

 次回は「売上、売掛金の管理方法」についてご説明します。

ここで注意したいのは、当期中に支払ったお金は仕入高合計の3,526,000円だということです。売上原価とは違ってますね。

それが、資金繰りと損益計算が一致しない理由のひとつです。